おみくじ

浜田と泉の場合
秋丸と榛名の場合
栄口と三橋の場合
水谷と阿部の場合
田島と花井の場合



















 
◆浜田と泉の場合



「おー泉、おみくじひいたかー?」
「ああ、もう結んできちゃった。浜田は?」
「俺?俺はそれよりもこれ!」
「なに、絵馬?」
「そ。西浦野球部の甲子園出場を祈念して!」
「なー浜田。これ『折願』になってっぞ。」
「…え?」














 
◆秋丸と榛名の場合



「おーい、榛名。こっちだよ。」
「なんだよ秋丸。おみくじなんかひいたのか。」
「えー、だってお正月だもの。」
「そんなのひいたって意味ねーじゃん。願い事なんて叶うときには叶うし。つーか俺叶えるし。」
「…榛名」














 
◆栄口と三橋の場合



「どーだった、三橋?」
「うぉ、こ、これ…。」
「末吉かぁ。」
「あ、あんまりよくない、よね。」
「でも悪いこと書いてないよ。ほら、願い事のとこ。積極的に行動すれば叶うって書いてある。」
「ウヒ。」














 
◆水谷と阿部の場合



「なあ阿部、どうだった?」
「何が。」
「おみくじだよ、おみくじ!」
「別に。」
「別にってことはないだろ。」
「普通だよ。」
「(まったく阿部ってばいつもこうなんだから…。)…じゃあ何お祈りしたの。」
「…。(ニヤリ)」














 
◆田島と花井の場合



「やっりー!大吉だー!!」
「お前くじ運もいいのな。なんて書いてあるんだ?」
「ん」
「えー何々…。」
「なー花井はどうだったんだ?」
「俺は中吉だった。」
「何が書いてあったんだ?なーなー。」
「こら、揺らしたら読めないだろ。」
「なあ花井ってば!」
「もう結んじゃったから持ってねえよ。」
「花井のケチー!」
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初出

2006.01.15
過去拍手お礼文(2008.05.18蔵出)